和紙の現場を訪ねる 第12回

作家・竹山美紀さん

9月に本館にて初の個展となる「竹山美紀展 わしとわたし」を開催された竹山美紀さん。
彼女の作品は、和紙の細かい折りやしわ、重なりが様々な表情となり、キャンバスの上で繊細で緻密な独自の世界を作り出しています。今回はそんな竹山美紀さんにお話を伺いました。

どんな活動をしていますか?

和紙を素材とした美術作品や小物の制作、ちぎり絵等のワークショップなどを行っています。

なぜこの活動を始めたのですか?

自分に合う素材をいろいろと試していた数年前、小学生の夏休みにちぎり絵を母親と夢中になって作っていた事を思い出して久々につくってみたことがきっかけです。
それからは触れれば触れるほどに惹き込まれる和紙の世界に目を向けながら活動をしています。


「竹山美紀展 わしとわたし」より

 

今後どのような展開をしていきたいですか?

2年間ほど和紙をそのまま用いて作品にしてきました。今後は色の世界にも展開していく予定ですが、この数年間に和紙の奥深さを学ばせていただいた事 で、色に関しても素材(顔料)やそれによって生じる循環など、まずは自分の中でひとつの説得力を持った方法を探っていく必要性を感じるようになりました。

また、和紙そのものについてもまだまだ勉強を深めていきたいです。これからも自分の目で見て、聞いて、出逢っていきたいです。興味が増すばかりでまだまだ地に足がついていないのは悩みですが、過去に訪ねた産地の和紙についてはもちろん、足を使う事を躊躇せず、美術と和紙の両方の視点から日本の豊かさを現代に繋いでいきたいです。またご縁があればですが、海外にも繋がりが持っていきたいとも考えています。
他にも今後は、すでに今ある出逢いや好奇心旺盛な面も活かして、幅広いジャンルでいろんな方と一緒に和紙を通して様々な事を実現して いく事も目標のひとつとしています。


「竹山美紀展 わしとわたし」より「oriwashi of Ino」 土佐和紙を使って折り紙をつなぎ合わせた作品。

 

土佐和紙の魅力や使い方について教えてください。

まず土佐和紙に限定しますと、多種多様・個性豊かである点は魅力的に映ります。また、土佐楮は気候や風土の影響で繊維が細長く、比較的ふわっとした紙が多いとお伺いした事があります。そのふんわりとした優しさや繊細さも魅力のひとつではないかと思います。
 分野外ではありますが、修復紙としても手漉き、機械漉き共に世界中の有名な美術館から依頼があるそうで、原料に対する信頼やどんな紙にも対応できる修復紙の技術がある職人さんがいらっしゃる事などもお伺いしました。

長年の職人さんは、和紙一枚を見るだけでどの工程をどんな気持ちで取り組んだかがわかるそうです。きっとどんな和紙にも、出来上がるまでにはたくさんの方々の手作業がたっぷりと詰まっています。
その作業は年間通じて過酷な事も多いとお聞きしますが、出来上がった和紙を手にして静かな空間で感覚を研ぎ澄ませると、職人さんが無心になって取り組む姿勢が和紙一枚から伝わってくることもあり、しゃんとした気持ちになったり、優しく暖かな気持ちになったり、良い和紙というものは何らかの美しい精神が宿っているように思います。
また、長い歴史の中でたくさんの試行錯誤のうえに、産地の自然の循環の中でできるようにつくられているという点も和紙の大切な魅力です。
そのような面に私が支えられてきたように、今度は私も和紙を通して誰かを支えていけるよう、これからも和紙の魅力を引き出して枠に捉われない使い方をしていきたいです。

使い方ですが、普通紙程度の厚みのある和紙であれば、手漉き和紙でもどなたでも家庭用プランターで簡単に趣きのある風合いが出せるという事を知りました。
お気に入りの和紙を窓やタンスなどに切って貼るだけでも可愛いです。ぜひいの町紙の博物館さんや全国の和紙屋さんでお気に入りを探して、ご自宅で試していただきたいです。

竹山美紀

1988 東京都墨田区に生まれる
2008 立教女学院高等学校卒業
2009-2013 青山学院大学総合文化政策学部総合文化政策学科
2013-2018 東京藝術大学美術学部絵画課油絵専攻
2018 Futarikko Produceによるアーティスト・イン・レジデンスにより高知県いの町鹿敷に滞在

HP:www.mikitakeyama.com
Facebook:https://m.facebook.com/miki.takeyama.12

 

竹山美紀展 わしとわたし

会期:平成30年9月15日(土)〜9月24日(月・祝)
場所:いの町紙の博物館

 

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