和紙の現場を訪ねる 第15回
第15回
和紙染色作家・真木美恵子さん
長年、草木染を研究し、作品を作り続けている真木美恵子さん。(愛媛県西条市在住)
令和3年10~11月に紙の博物館で開催された個展「夾纈染和紙作品展」でも多くの感動の声がありました。
そんな真木さんに和紙と草木染の魅力について伺いました。
令和3年10~11月に開催された「夾纈染和紙作品展」の様子
どのような活動をされていますか?
草木染の加工品を制作しています。以前は西条市の施設で草木染の教室を開催していました。
現在も児童館などでボランティア活動をしています。
草木染を知ったきっかけは何ですか?
高知女子大学在学時から先生から指導を受けており、「和紙・草木染はいいな」と思っていましたが、本格的に取り組むところまでには至っていませんでした。その後、夾纈染めを2年ほど習う機会があり、研究を深めていきました。
夾纈染めとは何ですか?
草木染の技法の一種です。古代の手法の「夾纈染め」(きょうけちぞめ)をヒントに、新しい手法なので「夾纈染め」(きょうけつぞめ)と呼んでいます。平たく言うと折り染めの技法の一種です。
土佐和紙の魅力は?
和紙に触るだけでもそのあたたかみに幸せを感じます。いい紙に出会った時の感動もあり、薄い紙も厚い紙も魅力があります。土佐和紙は種類が多いのでその分楽しみが多いです。
また、和紙を染料に吸い込ませるとき、毛細管現象で吸い込んでくるときのにじみがそれぞれ異なります。これもやってみるまで分からない楽しみがあります。
日常使いできる小物なども制作されています。
作品制作時のこだわりは?
自然からのいただきものである和紙と草木に感謝です。
今後どのような活動をしていきたいですか?
伝えきれていない技術を伝えていく活動をしていきたいです。
特に帯染めは10枚以上の染柄を繋ぎ合わせるため、非常に技術が求められますが、これができる人を育てたいと思います。
最終的に、若い人が染色を職業にしていくことが出来れば理想だと思います。